ザイゴマインプラントの基本

ザイゴマインプラント（Zygomatic Implant）は、通常のインプラント(All -on-4)治療では対応が難しい、骨量が著しく不足した上顎の患者様に対して行う特別な治療方法です。頬骨（ザイゴマ）にインプラントを固定するため、上顎の骨が少ない場合でもしっかりとした支持力を得ることができます。この技術は、特に高度な専門知識と技能を必要とし、通常のインプラント治療では対応できない症例にも対応することが可能です。

骨移植が要らない

ザイゴマインプラントの大きな利点の一つは、骨移植不要で治療が可能な点です。通常のインプラント治療では、骨が不足している場合には骨移植や骨造成を行う必要があります。これには手術が追加で必要なため、患者様の負担が増え、治療期間も延びてしまいます。しかし、ザイゴマインプラントは頬骨に直接固定されるため、骨移植を避けることができ、迅速かつ効果的な治療が可能となります。

患者様の負担の軽減

ザイゴマインプラントは、手術後の回復時間も大幅に短縮されます。骨移植が不要なため、手術後すぐにインプラントが固定され、早期に義歯の装着が可能です。これにより、患者様は短期間で通常の生活を取り戻すことができます。また、頬骨は非常に強固な骨であるため、インプラントの安定性が高く、手術後の成功率も向上します。この早期の回復は、特に忙しい現代人にとって大きなメリットです。

骨の量が少ないと言われた方

従来のインプラント治療では、上顎の骨量が不足している患者様は治療が困難とされていました。しかし、ザイゴマインプラントは頬骨を利用するため、骨量が極端に少ない場合でも対応可能です。これにより、他の治療法では対応できなかった多くの患者様にインプラント治療の選択肢を提供します。

歯周病で骨が著しく減少した方

歯周病により長期間にわたり骨が著しく減少してしまった方でも、ザイゴマインプラントは非常に有効です。頬骨は通常、歯周病の影響を受けにくいため、しっかりとした固定が期待できます。歯周病が原因で他のインプラント治療が難しい場合でも、この治療法で解決することができます。

精密検査

治療を始めるにあたり、初診時には詳細な口腔内検査とCT撮影を行います。この診断により、患者様の頬骨および上顎骨の状態を正確に把握し、ザイゴマインプラントの適応を確認します。診断結果に基づき、個々の患者様に最適な治療計画を立案します。

治療計画

診断結果をもとに、個別の治療計画を作成します。この計画には、手術の日程、手術方法、および術後のケアが含まれます。患者様には治療の詳細を十分に説明し、ご納得いただいた上で治療を進めます。治療計画は患者様のライフスタイルや健康状態に合わせて柔軟に対応します。

術後の注意事項

手術後は、傷口の回復とインプラントの安定性を保つため、いくつかの注意事項があります。具体的には、手術後1〜2日は安静を保ち、激しい運動やアルコール摂取を避けることが重要です。また、手術部位に過度の圧力をかけないように注意し、食事も柔らかい物を選ぶと良いでしょう。

定期検診の重要性

インプラント治療の成功を長期間にわたり維持するためには、定期的な検診が不可欠です。当院では、術後の定期検診を推奨しており、歯科医師によるプロのクリーニングやチェックを行います。これにより、インプラントの状態を常に最適に保つことができます。

手術の痛みはありますか？

静脈内鎮静法や局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんど感じません。また、術後の痛みも軽減されるように適切な痛み止めを処方いたします。痛みや不快感がある場合は、速やかに対処いたしますのでご安心ください。

治療期間はどのくらいですか？

治療期間については、個々の症例により異なりますが、通常は数ヶ月程度です。初診から最終的な義歯の装着までの詳細なスケジュールは診療時にご案内いたします。特にザイゴマインプラントは、骨移植が不要な分、治療全体の期間が短縮される傾向があります。

Before（ビフォー）